「公務員から転職を考えているんだけど、なかなか一歩踏み出せない…」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。安定した職業である公務員を離れて、新しいキャリアに挑戦することに不安を感じるのは普通のことです。しかし、転職に成功するためには、公務員から転職することの「メリット」と「デメリット」をしっかり理解することが重要です。
この記事では、一般的に言われる公務員の話、元公務員として転職者の方の実体験と公務員を退職した私の実体験をもとに、公務員からの転職で後悔しないために知っておくべきメリットとデメリットを徹底解説します。これからキャリアに悩むあなたにとって、具体的なヒントと役立つ情報が詰まった内容となっています。ぜひ最後までご覧ください。
一般的な公務員からの転職に対するメリット・デメリット
公務員から転職を考える際、多くの人が抱えるのは「安定した職を手放すことへの不安」です。公務員は安定した給与や福利厚生、定年までの雇用保障が特徴的で、これが多くの人にとって魅力的に映る一方で、民間企業への転職に対してはリスクを感じることが多いでしょう。しかし、転職には確かなメリットもあり、キャリアアップを目指す公務員にとって、必ずしもネガティブな選択ではありません。ここでは、公務員から転職するメリットとデメリットについて詳しく解説します。
公務員から転職するメリット
年功序列の評価制度から抜けられる
公務員の給料体系は、勤務評定と階級、年功序列などに基づいています。そのため、どれだけ優秀でも、年齢や勤務年数に依存した評価が大部分を占めており、階級を上げるためにも必要な年数などが設定されていることから、なかなか給料を上げずらくなっている現状があります。
しかし、民間企業では実力や成果に応じた評価が一般的で、早期に高いポジションに上り詰めたり、高い報酬を得るチャンスが公務員よりも多くあります。そのため、仕事へのモチベーションが高い人ほど給料を上げやすくなっているのは間違いありません。
副業でお金を稼ぐことができる
公務員は法律で副業が禁止されているケースが多いですが、民間企業に転職すれば、副業の自由が認められる企業も多く存在します。副業を通じて新たな収入源を確保することや、新たなスキルを獲得することが可能となります。特に、公務員から転職をする際に、未経験職種として扱われるケースが非常に多く、年収が下がってしまう傾向にもあることから、副業を行うことは効果的な手段です。
これにより、将来的なキャリア選択のリスクヘッジを可能にすることや若手のうちから経済的な自由度を高めることが可能となっています。
職場環境の改善ができる
公務員の職場は、年齢やポジションによる序列が厳しいことが多く、昇任までに多くの時間を要すことやモチベーションを保ちづらい職種特性があります。また、組織的にも閉鎖されがちなため、人間関係での悩みを持っている職員も少なくありません。
そのため、公務員から転職することで、より柔軟な働き方ができる職場や働きやすい環境へ移行できる可能性があります。特に、人間関係で悩んでいる場合、公務員から転職をすることで改善するケースは多いです。
意見をしやすい環境を作れる
公務員としての業務は、決まったルールや規則に基づく仕事が多く、消防官や警察官、自衛官などの場合には意見具申は認められていますが、ほとんどその意見が通らないこともあるため、裁量権が限られているということができます。
しかし、民間企業では個々の意見や提案をしやすい環境が多く、むしろ自ら提案を行う人や意見をできるような主体性の高い社員を好む傾向にあります。そのため、役割に対して大きな裁量権が与えられ、自分のアイデアや戦略を活かしてチームのメンバーと協力しながら仕事を進めることも可能です。
スキルアップにつながる
公務員の仕事は一貫した業務内容が多く、年齢や階級を上げなければ務めることができない仕事が多く存在しています。しかし、民間企業では様々なプロジェクトや課題に取り組むことができ、幅広いスキルを身につけるチャンスがあります。
そのため、公務員として勤めている方よりも民間企業に勤めている方の方が社会的成長を実感しやすい傾向にあります。特に、消防官や警察官、自衛官などの場合には、充足人数も決まっていることから、なかなか希望した部署に配属されないことや職務上限られたスキルの獲得しかできないことからこのような傾向にあります。
これは、結構一般的にさまざまなブログやSNS、YouTubeなどでも公開されているもので、よく見たことがあるんじゃないかな?
もしも見たことがないものがあれば、ぜひキャリア選択の参考にしてみてね!
公務員から転職するデメリット
公務員という肩書きがなくなる
公務員という肩書きは、社会的に非常に安定した地位として評価されています。そのため、金融機関からの借入審査や住居契約などの際にも有利に働くケースが多くなっています。しかし、転職すると公務員としての肩書きがなくなり、民間企業の一員として働くことになります。
民間企業の場合は、組織としての倒産リスクが公務員の組織よりも高いことから、社会的信用や金融機関からの信頼が一時的に下がる可能性があります。そのため、退職前に計画的な引っ越しやローンを組むケースが多いです。
福利厚生制度が落ちる
公務員の福利厚生は、非常に手厚いことで知られています。医療保険や年金制度、育児・介護休暇など、多くの手当てや補助金制度がありますが、民間企業では同様の手厚い制度を提供している企業は、資本力のある大企業などに限られています。
そのため、転職先企業の福利厚生制度などをあらかじめ調査し、月々の家計と照らし合わせながら転職後の生活の収支計算を行い、イメージをしておくことは非常に重要なこととなります。特に、公務員の場合は単身寮や家族寮などがありますが、民間企業ではないケースもあり、月々の支払いが多くなる可能性が高くなります。
転職で年収が下がる可能性がある
公務員から民間企業に転職をする場合、多くの方のケースでは「業界未経験者」として扱われるケースが多くなります。そのため、社員としての育成なども含まれ、即戦力としては活躍しづらいことから、転職後の年収が下がる、または年収がほぼ同じくらいを推移する可能性が高くなります。
しかし、公務員の給与は安定していますが、民間企業では成果に応じて年収が変動することがありますので、着実に経験と実績を積むことで公務員の時以上に給料を増やすことは可能です。また、近年では、副業を解禁している企業も多くありますので、別の収入を確保することでこのリスクを回避することが可能です。
安定した給料が貰えなくなる
公務員は毎月安定した給与が保障されていますが、民間企業では業績に応じて給与が変動したり、リストラのリスクが存在します。基本的にはリストラをするケースというのはあまり多くはありませんが、民間企業が赤字続きになればリストラだけではなく、倒産のリスクなども考えることができます。
そのため、安定した給与が魅力の1つである公務員を離れることは、経済的なリスクを伴うことになります。しかし、実は公務員にもリストラの危険性は十分にあり、地方公務員法第28条第1項第4号では、分限処分の1つとして自治体予算の確保ができない場合に解雇になる可能性を示していますので、リストラを恐怖に思うのではなく、年齢とともに社会人としての能力を上げて、求められる人材になることが重要となります。
転職後は未経験からスタートになる
多くの公務員は、特定のスキルや業務に特化しているため、民間企業に転職するとまったくの「業界未経験者」としてスタートになるケースが多くなります。また、民間企業の場合は利益を上げるためのことを中心に仕事を行い実践的に学ぶこととなりますが、公務員の場合は公共のための取り組みについて仕事を行い学ぶことになります。
そのため、内定後の給料が今までよりも低く提示されてしまうことがあります。また、新しい仕事についても学ぶ必要があるため、人によってはこれが負担に感じることもあるでしょう。しかし、公務員の時よりも働き方などの点では良い面もあるので、企業文化や働き方などを適切に調査して、あなたにあった企業を選択することがおすすめです。
転職には、それぞれメリットとデメリットが存在するのは一般的にも言われていることで、これは知っておくと良いと思うよ!
ただし、これだけではないので、ここから実際に転職した人の話をまとめているので、参考にしてみてね!
転職者に聞く転職後のメリット・デメリット
ここからは、公務員から転職をされた方数名に対してインタビューを行ったので、その内容をまとめ、抜粋してご紹介していきます。公務員から転職をすることのメリット・デメリットの感じ方は転職先の労働環境などによっても変わってくるため、人それぞれになってしまうのが現実です。しかし、実際に転職をされた方の内容となりますので、一般的な内容よりも身近に感じやすいのではないかと思います。そのため、公務員から転職を考えている人にとっては、ぜひ参考にしてみてください。
転職者が感じた公務員から転職するメリット
職場環境が大幅に向上した
公務員も民間企業で働くのも関係なく、人それぞれにあった職場環境というものが存在します。
このような中でよくなるものがあれば、悪くなるものも存在するかと思いますが、この中でも次のようなものは、良くなったと感じていた方が多くいらっしゃいました。
- 雰囲気
- 人間関係
- 評価制度
- 業務の裁量
- キャリア支援制度
職場は、公務員や民間企業に関わらず、その組織の文化や人間関係などによって雰囲気が存在していています。特に、公務員の場合は、民間企業とは違って利益を追求する組織ではないことから、少し違った印象をいただく方もいたのではないかと思います。
また、公務員の場合は、年功序列の評価制度が明るみになっているわけではないですが、実態としてそれが存在します。そのため、転職後の企業において、評価制度や業務における目標設定、さらにはそれに伴うキャリア支援制度やメンター制度を取り入れるなどの制度を持っている企業も多いことから、これらの内容が向上したという声が多くなっていました。
評価制度が明確で向上心が高まった
公務員として勤務していた際には、ある程度の年齢までいくとなかなかつくことができない業務もあることから目標を見失いがちになってしまっていたという意見がありました。しかし、転職後の企業において、その企業の評価制度が明確に定められていることから、業務における目標設定を具体的に設定することができるため、仕事で追いかけるものができたことから仕事への向上心が高くなったという意見がありました。
また、民間企業の場合は、公務員の組織の特徴でもある「年功序列の評価制度」ではなく、「目標達成率による評価制度」や「成長率による評価制度」などの方法を取り入れている場合もあり、頑張った分が給料に反映されやすいという特徴もあることから、評価制度の明確性による仕事への向上心が高くなったという意見もありました。
副業で別の知識やスキルの習得
公務員の場合は、地方公務員法や国家公務員法などで営利目的の副業を禁止しているため、なかなかビジネスレベルでのスキルや知識をつけるのが難しいことはご存知かと思います。しかし、民間企業に転職をすると、近年では多くの企業でも副業を解禁していることもあり、副業を行うことで本業とは違った知識やスキルの獲得を行うことができるのは、とてもよかったという声がありました。
また、いくつかの副業を試してみたことで、自分自身が「どんなことに楽しさを感じるのか?」「どんなことが好きなのか?」「どんなことが自分自身にあっているのか?」ということに気がつくことができたという声もあり、いくつかの副業を試して見ることで自己理解のきっかけになった人もいたようです。
副業によって収入が増加した
先ほどもあったように、公務員は営利目的での副業を原則禁止されていますが、逆に民間企業の場合は副業を解禁する企業が多くなってきました。そして、副業での活動に伴い、会社員の給料に上乗せして5万円〜10万円以上の副収入をもらうことが可能なものもあることから、経済的な面でのメリットも大きいと感じている方がいました。
特に、公務員から民間企業への転職において、基本給を上げることができる事例というのはあまり多くないため、現状維持または公務員の時よりも基本給が落ちてしまうことはよくあることです。そのため、副業等を行うことで、足りない分を賄うことや本業以外の収入を得ることで将来的な金銭のリスクヘッジを行うことが可能となります。
実際にこのお話を聞かせていただいて、知識やスキルの獲得、収入、休日の時間、家族時間などを総合して、「どのようなキャリア選択をとるのが良いか?」ということが大事だということに改めて大事だなというように感じました!
旅行がしやすくなった
公務員は、国内旅行でも海外旅行でも遠出の旅行を行う際には、旅行届の申請を行い、所在を明らかにしなければならないことが多いです。特に、消防官や警察官・自衛官などの場合は、災害発生時や有事の際に招集されることが他の職種の公務員の方よりも多い特性があります。
また、海外旅行の場合、日本国内よりも犯罪件数が多いこともあるので、そのような犯罪や事故に巻き込まれた際に、すぐに安否確認が取れるようにする必要があることから、所在地、旅行工程表、宿泊先の連絡先などを旅行届として提出する必要がある場合が多いです。
しかし、民間企業の場合は、このような書類の届出の提出が必要ない場合が多く、煩わしい過程を省くことができることや、提出する場合も旅行工程などを細かく提出する必要がないので、公務員の時よりも海外旅行に行きやすくなった、国内旅行に行きやすくなったというような声がありました。
転職者が感じた公務員から転職するデメリット
収入が下がることがある
やはり、公務員から民間企業へ転職を行う際に、現在の年収から落ちてしまうパターンは多いようです。実際に転職した方に聞いたところ、少ない人でも約50万円、大きい人だと約100万円近く年収を落としての企業オファーが来ることがあるという声がありました。
これは、転職をする業界や企業・ポジション、さらにはスキルと実績などによっても変わってくる部分であるものです。そのため、転職活動前から自己理解を適切に行うことでゴールを明確にし、業界や企業の調査を行うことで収入を下げないような転職を行うことが効果的だと考えています。
また、契約する金額は、企業からの内定通知前に相談をすることが可能ですので、そこで見合わないと感じたら、内定を辞退することも検討することが可能です。
福利厚生が弱くなる
民間企業に比べて、公務員の組織の福利厚生は非常に手厚くなっている場合が多いです。
そのため、公務員から民間企業に転職をした際に「年収が減少した」などの弊害を感じることがあるかもしれないですが、それは福利厚生による「本来の給料との錯覚」が起こっている可能性がありますので、一度見直して見るのが良いという意見もありました。
社会的信用が低くなる
公務員という仕事は、主に住民や国民の税金から賄われている仕事であり、行政手続きなどが必要となることがありますので、基本的に「組織が潰れる(倒産)」ということはほぼ考えにくいのが現状です。しかし、民間企業の場合にはこれとは逆に、企業が行う事業の中で利益を上げて、その利益を元手にして次の事業を行うことや従業員の給料や法人税の支払いなどを行っているため、赤字が続いてしまうと「会社が倒産する」といったリスクが存在します。
このようなことから、民間企業に勤める社会人よりも会社が倒産をしづらいという関係で、「公務員の社会的信用が高くなる」といったことがあるので、住宅ローンが組みやすくなったり賃貸を契約する場合にも審査緩くなるといった現象が起こります。
実際に、公務員だった時に住宅ローンや車のローンを組んで、民間企業に入ってから社会的信用が低くなることを見越して動いた、という声が多くありました。
家族や友人からの反対を受けやすい
民間企業の場合、会社の業績が赤字になってしまうと「倒産」というリスクを抱えていることから、転職をすることで収入などの安定性が削がれてしまうため、家族や身近な友人から「転職をすることは、もったいないことだ」というように言われることが多くなります。実際に対談した方の中にも、同僚や家族からの反対されたという声がありました。
確かに、公務員という安定した職種を手放すことに危機感を覚える方や不安を感じる方も一定数いますが、これはあらかじめ副業を行うことで収入を分散させることや、家族への明確な説明をすることで回避できるものでもありますので、その状況に合わせて対応方法を考えていくことが良いと考えています。
明確に目標へのプレッシャーが増えた
民間企業では、営利目的で業務を行わなければ、会社の運転資金を調達できずに倒産してしまうことがあるため、社員1人ひとりの目標設定やノルマなどの設定を行うケースがあります。特に、営業などの利益として直結しやすい職種の場合は、営業目標やノルマと呼ばれるような目標値が数値的にもあるため、月末のプレッシャーとなることは多いようです。
しかし、公務員から転職をする際に、もっとチャレンジをしたいと思っている方の場合は、逆にその目標値が明確であることから、目標を超えた時の成長実感や達成感に変わっているという声もあったため、人それぞれ感じ方が違うといった意見もありました。
実際に、転職をした人たちの内容を簡単にまとめているんだけど、一般的に言われていることとかぶっている内容もあれば、また違った視点でのメリット・デメリットがあったよね!
しかも、結構詳しくお話を聞けたので、これらからのキャリア選択の信憑性の高い参考にしてみてね!
実際に私が公務員を退職して実感したメリット・デメリット
次に、私が東京消防庁から退職をして、リアルに感じた公務員を退職することのメリットとデメリットについて、体験を元に解説していきます。
私自身が感じた公務員から退職するメリット
チャレンジできる幅が広がる
公務員から退職して、2年間は日本国内でいくつかの仕事を頑張ってきました。
ここでは、主にキャリアについての話を行なっていますが、実はこの3〜4年ほどで結構いろんなことを行ってきました。なぜこのようなことができたのかというと、退職をする時に「せっかく消防士を辞めるのだから、消防士としてはできなかった世界線のことをやろう!」ということを決めていたからです。そのため、消防士として勤務していた時にはできなかったことが20代後半になってできるようになり、今では海外と日本を行き来しながらキャリアサポート事業を行っています。
簡単なことはむしろ少なくなりましたが、様々なことにチャレンジできているのは、公務員という職を手放すことができたからであると感じていますので、公務員を辞めるメリットではないかと感じています。
ビジネス知識とスキルが向上しやすくなる
公務員の場合、広報担当や採用担当、企画調整担当などの部署ではビジネスにも近い知識とスキルの向上が見込めるかもしれないですが、その他の部署になってしまうと事務処理であったり、災害対応などかなり専門性が高くなってしまうことがあります。しかし、転職することによって、さまざまな仕事に触れる機会を増やすことができるため、ビジネス知識とスキルの向上を見込むことができるのではないかと実感しました。
ただし、大企業になってしまうと組織として適切な分業を行っている場合もあるため、「起業や個人事業主>ベンチャー企業>スタートアップ企業>上場企業」のようなレイヤーで学ぶことができる大きさが変わっているようにも実感しました。
人間関係を選んで仕事ができる
公務員を退職してからの仕事において、私自身が関わりを持つのが大変だと感じた方とのお仕事はなるべく控えるようにすることで、精神的にも身体的にも健康な働き方ができるようになったと感じました。特に、私の場合は組織に所属するのではなく、私が先頭に立って組織を作る側に立っていることがその理由の1つだと考えています。
また、公務員の場合、人間関係を選べない要素として、充足人数の調整の関係で人事異動がしづらい組織構図、そして公務員から公民へのの転職が簡単にできない点にあるのではないかと思います。ただし、ここは「転職をする」という意思決定さえできれば、どなたでも人間関係を選んで仕事をするのは可能になるとも考えています。
考える力と稼ぐ能力が大幅に伸びる
民間企業に転職をしたり、個人事業主または起業をするとなると、毎月の売り上げ目標などを設定し、それをどのように達成していくのが効果的なのかを考えることがあるため、ビジネス的な観点での考える力が大きくなります。そのため、新しい発想や周りの人との違いを作ることも大事になってくるため、考える力や稼ぐ力がつきやすくなっているのではないかと考えています。
また、民間企業でも、中にはフルコミッション制度を導入した営業職に転職される方や、個人事業主として業務委託契約といった形でトレーナーをされているかたが多くいらっしゃるため、自ら稼ぐ能力がつくということが言えます。実際に、私自身も転職活動中に内定をもらうことができましたが、その内定は辞退して個人事業主・起業家という道を選択したことからこのような力がついてきているのではないかと実感しています。
しかし、公務員の場合、毎月の売り上げ目標を決めるのではなく、キャリアに対する目標設定のみを行っていく場合が多くなります。そのため、新しい発想をすることよりは合理的判断をして考えていくことが多くなりますので、この点が考える力に大きく影響しているのではないかと実感しています。また、そもそもが営利を目的とした事業ではないことから、「自ら稼ぐ」という点に関しては実感しづらい点が大きくなっていることは、消防士の経験からも事実だと感じます。
健康管理が楽になった
消防士、警察官などの公務員の場合、夜間の現場出場や仮眠時間に半強制で行われる自主訓練などがあったことから、仮眠時間が3時間程度しか取ることができないということが、私の場合は日常的にありました。このことから、仕事の次の日の体調は良くない日の方が多く、それでも時間を無駄にしたくないという思いから、一級建築士の資格試験勉強を行なったり、ジムに行ってトレーニングを行なっていました。
しかし、公務員退職後は、睡眠時間の管理がしやすくなったことや精神的な健康も気が付きやすくなってきたため、仕事の状況も考えつつ、自ら休むという機会を作りやすくなったように感じます。睡眠時間を削って仕事をすることも確かにありますが、緊急時に起きなければいけない精神的ストレスと短時間しか寝ることができない身体的ストレスの緩和、そして仕事における人間関係が良好になったことで、健康管理がしやすくなったのではないかと感じています。
僕も、現職の公務員の方と同じように公務員として勤務していたので、結構共感できる部分があるからこそ、このようなメリットがあると感じているよ!
特に、人間関係だったり、会社の雰囲気なんかによって左右されることはよくあることだよね!
私自身が感じた公務員から退職するデメリット
収入が不安定になる
公務員から民間企業への転職を行えば、収入が不安定になることというのは初期段階では多くないかと思いますが、将来的にみて安定しているかと言われれば公務員ほどの安定感はなくなる可能性が大きくなります。また、個人事業主や起業などを行う際には、契約件数や契約単価次第でその月の給料が変動しますので、かなり不安定になりがちになる可能性も大きくなります。
私の場合、起業ということもあって、初めの1年間はほぼ売り上げがなく、「年収が約10万円」とかなり厳しい時間を過ごすことになりました。しかし、独身であったことや、この期間で契約を取る営業力、コンテンツを作成する力、マーケティング力など様々な力を総合的に養うことができたため、特に後悔などはありません。むしろ、大変な思いはしたけど、成長実感があるのでよかったと感じています。
未経験の業務が多くなる
公務員から民間企業へ転職をすれば、ほとんどの場合が未経験からのスタートとなりますので、初めて行う業務ばかりになることがあります。そのため、業務に関する知識を1から覚えていくことになりますので、この点においての負荷はかかってくることになります。
実際、私が消防士を退職してから様々なことを行なってきましたが、その中のほとんどのことが初めてのことで1から学び、少しづつ事業化してくることができました。そのため、「新しい学びを求めている方」「好きなことを見つけることができた方」などにとっては、むしろメリットに変わる可能性があります。
環境が激しく変化する
転職をすることによって、勤務地、業務内容、働き方、人間関係、目標設定などの様々なことが一気に変化するため、この変化についていくことが負担になることがあります。特に、民間企業では公務員の時以上に主体的な行動が求められる場面も多くあるため、「転職をする目的」や「転職後のキャリアパス」が決まっていない人にとっては非常に大変な状況になることも想定されるかと思います。
実際に、僕自身もこの点において大きなミスをしたことがあり、主体的にやっていたことがいつの間にか受動的になってしまっていたことがあり、お叱りを受けた経験があります。そのため、常に仕事に対して前向きな姿勢や自ら考えて行動するといったことが求められやすい環境になることを実感しました。
仕事のスピード感が早い
民間企業の場合、繁忙期やサービスの打ち出し初期などの売り上げが落ちてしまうと、年間を通しての売り上げに対して大きな損失を出してしまうことから、仕事へのスピード感を求められやすくなる場面が多々あります。しかし、公務員の場合は、納期が決まっていても売り上げを上げるものになってはいないことから、他人に迷惑をかけなければ多少の融通が効くなどのこともあります。
実際に、私は消防士として建築物の消防同意などの書類を担当していたのですが、これは建築業社の方にも迷惑がかかることから前倒しでの業務を行なっていましたが、報告書関係は見やすくしてから提出するなどのことがあったため、多少期間が遅れても問題ないという助言をいただいていたことがありました。
しかし、消防士を退職してからは、その商品の納期などが遅れると、お客様に対しての信用問題になり、長期的に大きな損失を生むことから、できるだけ仕事は全て前倒しでの計画を立てるようにして信頼を損なわないようにしています。
目標に対するプレッシャーは強くなる
公務員は、営利を目的としない公共サービス事業になりますが、民間企業の場合は営利を目的としたサービスになります。また、公務員の時よりも、会社の倒産リスクが高くなりやすいことから、会社の売り上げ目標に対する社員1人ひとりの目標値を設定し、その達成率が評価されやすくなっているため、目標に対するプレッシャーは強くなります。
実際に、私自身は自ら事業を行なっていることから、毎月の売り上げ目標を立てて、そこから税金の差し引きやランニングコストの差し引なども考えなければならないため、結構プレッシャーは強くなったように感じています。
しかし、「目標といいうプレッシャーのある環境を得意とする人」や「仕事をすることの目的が明確になっている人」の場合は、明確な目標を置くことで仕事へのモチベーション向上を図ることもできるため、おすすめできる環境であるともいうことができると実感しました。
僕の場合は、転職活動を行なって、内定までもらったんだけど、その内定を辞退して起業を選択しているので、転職を実際にした人とはまた違った視点でのメリット・デメリットを出せたかな!
結論:「どんな未来が欲しいのか?」でキャリア選択してください!
転職というキャリア選択をすることにより、人それぞれが感じるメリット・デメリットは必ず存在しています。これは、人間は1人ひとり異なった価値観を持っていることから生じることです。そのため、各々が「転職における目的の設定」「価値観の理解」を行うことにより
「どんな未来が欲しいのか?」
ということを明確にすることが最も重要なことです。今回お話しさせていただいた、公務員から民間企業への転職にまつわるメリット・デメリットを参考にして、後悔のないキャリア選択をしていきましょう!
コメント